2012年7月。今の日本国債はバブルか?
日本の10年債利回りが一時0.8%台を割る自体となっています。利回りが下がっているということは日本国債が買われている(債券価格の上昇)を示しています。日銀による国債購入は札割れが起こっています。はたして
このまま国債価格は高くなり続けるのでしょうか?背景とバブルが崩壊した時の問題点を考察します。
欧州金融危機を嫌っての国債への資金流入
日本国債が買われている理由は欧州金融危機にあります。金融危機を逃れた投資資金は、安全性の高い、米国債・ドイツ債・日本国債などに流れているというのです。こうした資金が国債を買うことによって国債価格が上昇、それによって歴史的な低金利が起こっているわけです。
国債の価格上昇の問題点
国債が買われているというのは、国債の金利が下がっているということで、日本(財政)にとっては好ましいのではないかという指摘も当然あります。 もちろん、国債残高が多い日本政府にとって、国債利回りの高止まりは低コストで資金調達できることになります。
一方で、今回の国債高騰は、欧州金融危機に端を発しています。将来的に金融危機が解消された場合、投資資金は欧州に戻っていくことも考えられます。
そうした時に、国債の売りが急増することでバブル崩壊(国債価格の急落)へと至るリスクがあるわけです。
国債暴落で日本の金融機関の純益はふっとぶ
現在、日本の金融機関の多くは資金を国債で運用しています。国債投資残高は年々増加しており、これは大手銀行だけでなく、地方銀行も同様です。
日銀が4月に発表した金融システムレポートによると、国債等の金利が1%上昇した場合、国内金融機関に6.4兆円もの損失(評価損)が生じると計算されています。
もちろん、国債なので満期まで保有すれば額面償還されるわけですが、評価損に対して耐えきれなくリスクがあるわけです。
現在、国債金利は低下を続けており、国債を多く保有している金融機関は大きな含み益を得ています。しかしながら、今後景気が回復すると、金利の上昇によって逆に損失が多く発生するリスクがあるわけです。
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