国債投資と株式投資には関連性がある?
国債(というよりも債券)市場と株式市場には負の相関関係があります。負の相関関係とは片方が上がると片方が下がるという意味です。たとえば、株式市場全体が上がる場合(上昇相場)の場合、債券の価格は低下します(金利は上昇)。
この仕組みは投資をするうえでかなり重要な考え方となります。整理して解説しますのでぜひ理解するようにしましょう。
債券価格と株式市場はなんで関連性があるの?
まず、投資を考える場合、その投資されている「お金」がどう動くのかを考える必要があります。極端な例ですが、世の中の投資商品が「国債(債券)」と「株式」という二つだけだったとします。
そうした場合、それぞれの商品の特徴は下記のようになります。
国債への投資:安定した投資。リスクはほとんどない。
株式への投資:リスクのある投資。
そのうえで、投資家は自分の保有するお金をどのように振り分けるのかを考えるのです。
それを考えるときに大切なのが、安全資産に対する投資によるリターンの大きさと、リスク資産に対する投資によるリターンの大きさの比較です。
債券におけるリターン
「債券価格のしくみ」を読んでいただくとわかるかと思いますが、国債(債券)投資の金利は需給により変化します。債券をほしいと思う人が多くなるほど、債券が買われ、結果的に債券の価格が上昇します。
債券の価格が上昇すると、実質的な金利の低下となります。
(例:年5円の金利の支払い(固定)がされる債券が債券価格100円から110円に上昇した場合、利回りは5%から4.54%に低下する)
債券と株式はシーソーのようにお互いの投資価値をせめぎ合う
上記のような債券に対して、投資家は安定した債券に投資をするか、リスクをとって株に投資をするかを決めていきます。
仮に、債券の金利水準が、株式投資よりも魅力だと感じた場合、投資家は「株を売却」して「債券を購入」します。ということは需要と供給のバランスによって、「株価下落・債券価格上昇(金利の下落)」につながります。
この流れが、債券による金利水準が株式投資よりも魅力的と思える水準近辺になるまで進行します。
逆に、債券の金利水準が低く、それに対しての株式の投資的価値(EPSや配当利回り、PERなどの水準など)が高くなれば、「債券を売却」して「株式を購入」するようになります。
こうなると、「債券価格の下落(金利の上昇)と株価の上昇」という結果に結びつきます。
本サイトで紹介している「個人向け国債」については政府による買い取りというオプションがあるため、債券価格は存在しません。ただし、相場の世界では債券価格は日々変動しています。
特に、日本国債10年物は「長期金利」と呼ばれる金利の指標となっており、先物取引(国債先物)などとしても取り引きされているものです。
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